美羽へ
突然、こんな手紙を見て驚いていることだろう。
美羽がこれを見ているということは、俺はもうこの世にいないんだな。
(どういうこと?お兄ちゃんは死ぬことを知っていたの?)
この手紙を書いた理由、それは父さんの悪事をなかったことにしたくないからだ。
俺は先月、父さんの病院の院長室で信じられないことを聞いた。
ドアが少し開いていたから父さんが誰かと電話しているのを偶然聞いてしまったんだ。
臓器移植というのを知っているか?
病気や事故によって臓器が機能しなくなった場合に、人の健康な臓器を移植して、機能を回復させることだ。
父さんは腎移植患者のドナー探しを、一千万円払って暴力団に頼んでいたらしい。
そして暴力団側もドナーを見つけて、その人に金を渡すつもりのようだった。
(暴力団って……お父さんそいつらと繋がっていたの!?)



