広すぎる玄関も、長い廊下も、そこに飾られているどこが良いのかわからないような絵画も、なにも変わっていない。
私は数ヶ月前、ここに帰ってきたくなくて夜遊びや無断外泊をしまくっていた。
だからここの玄関にいると思い出して頭が痛くなる。
私はリビングの大きいソファにカバンを放り投げた。
そしておもむろにソファに横たわった。
『お前までいなくならないでくれ』
この前父が呟いた言葉が頭をよぎる。
私なんて最初からいなかったようなものでしょ?
今更なんなの?
私に何を求めてるの?
その時、梶原さんが紅茶を入れてくれた。
それと共に、手紙のようなものを差し出された。
「これは?」
「豪壮さんが美羽さんに宛てたものだと思います」
「え!? お兄ちゃんが……」



