今宵、君の翼で





翌日の放課後、私は実家の前にいた。


なぜかというと、お兄ちゃんの事故当時のことをお母さんに聞こうと思ったから。


あの頃も私は親とあまり会話がなくて、お兄ちゃんがどんな様子で亡くなったのか詳しく聞かなかった。


というか……聞けなかったんだ。


お兄ちゃんの死を受け入れられなかったから。


でももう逃げない。


翼やお兄ちゃんのためにも私が頑張らなきゃ。


とは思うものの、家の前に着いてからしばらくウロウロしている。


完全に不審者だ。



また明日にしようかな……って、何度思った事か。




でも、陽菜のお母さんとも約束したし……




「美羽さんっ」



その時、聞き覚えがある声に呼ばれて振り返った。


そこにはお手伝いさんの梶原(かじわら)さんが立っていた。


梶原さんは20年間私の家に家政婦として勤めている50代の女性で、私のことも小さい頃から可愛がってくれていた。