今宵、君の翼で




医者の質問に私も答えることができなかった。


私だって何もわからない……


翼は一体誰にやられたのか……



病室に行くと、翼はベッドの上でスマホをいじっていた。


顔は腫れていて痛々しい。



「翼……起き上ってて大丈夫なの?」


「ああ、うん」


私が来たのに気付くと、スマホをいじるのをやめた。



「足……痛いでしょ」


「いてぇよ、全治一ヶ月だって。勘弁してほしーわ」



ハハッと声を上げて笑っている。



笑えないよ……翼。


そんな私を見て、翼の顔からも笑顔が消えた。



「わりぃな……」


「一体誰にやられたの!?」



「知らねーやつ……」


「嘘!? あのぼうりょ……」



翼が咄嗟に私の口を塞ぐ。



「ここで言うな」


「ご、ごめん……」



「いってぇ……」



急に腕を伸ばさせちゃったせいか、翼が脇腹を押えて痛がっている。



「大丈夫!? 本当にごめん!」



必死に謝っていると、翼がふっと笑った。