「んー。兄貴が事故にあったのって去年の1月って言ってたよな?」


「はい。正確には1月14日の夜です。忘れもしません、あの日は大雪が降ってて、タクシーが捕まらないからってお兄ちゃんは駅から歩いて帰ってる途中だったんです」



「14日!?」



「はい……何か覚えてますか!?」



「んー……新年会やった日かもしんねぇ……雪すげーからってみんな俺んちに泊まったんだよ」



「翼もですか!?」



「あー確か……他の奴らに聞いてみる。でもその日だったら……翼は外に出てねぇはずだ」



まだそうだと決まったわけじゃないのに、私の心が晴れていくのを感じた。



「四条さん、その日の事皆さんに詳しく聞いてもらえますか!?」



「もちろん。わかったらすぐ報告すっから」



どうか……


どうか翼が犯人じゃありませんように。


私は強く祈った。これしか私にできることはないから……