今宵、君の翼で



今隣の部屋で、翼はあの女の子に触れているの?


私にしたみたいに髪を優しく撫でて、頬に暖かいキスをして、ぎゅって抱きしめて。


『大好きだよ』って言ってるのかな。


そんなの耐えられない。


想像もしたくないよ……



『美羽は俺から離れねぇよな?』




離れたのは翼じゃん。



一場先輩の吐息が首筋にかかる。


そして先輩の手が私の服をめくって背中に触れた。



なんかもうどうでもいいや。



こんなことされたって、援交と同じだもん。



目をつむってればすぐ終わる。




「肌めっちゃすべすべ」




『俺はお前をひとりにはしねぇーから』



翼の嘘つき。



涙が耳の方へと流れていった。


とっさに腕で目を隠す。


「あれ? 泣いてんの~?」


「泣いてません……」


「泣いてんじゃん」


私の手首を握った瞬間、翼がいる部屋のドアが開いた。