あれから、一週間が過ぎた。

なんと、『鬼島瑛介』くんの席は、私の『隣の席』だった。

そして、HRが始まり、担任の先生がクラスの生徒たちの名前を呼んでいく。

次々とクラスの生徒たちの名前が呼ばれ、次は『鬼島瑛介』くんが名前を呼ばれた。

「鬼島!!鬼島瑛介!!いてないのか?」

すると、学級委員長でもある『花輪里琴【はなわりこ】』が、椅子から立ち上がり、厳しい声で、

「鬼島くんは来ていません。」

きっぱりとそう告げた。

すると、先生は窓の外を見て、口の端を少し上げて、ニヤリッと笑うと、

「そうでもないみたいだぞ。」

そう言った。

窓の外を見ると、校庭では、鬼島くんが何やら、他校生とケンカをしていた。

そして、

「さて、俺の『かわいい生徒』のために一肌脱いでくるか!!」

そう言うと、さも嬉しそうに、スーツを脱ぎ捨て、ネクタイを外すと、教室の外へ出て行った。

「わぁー、『響センセイ』、カッくいー!!」

男子生徒たちは興奮して、そう叫んでいた。

女子生徒たちは、キャーッキャーッと黄色い声援を送っていた。

この『型破りな先生』は、『氷室響也』、27歳。

もちろん、独身。

この『一週間』、この『状態』が続いていた。

ハァ〜、誰か、『悪夢』だと言って‥‥‥‥。

私はうんざりとしていた。