「メグ、おはよー!!」

「キヨちゃん、おはよう!!」

『キヨちゃん』こと『斉藤清美【さいとうきよみ】』ちゃんは、私の中学時代からの同級生で大親友だった。

「メグ、知ってる?火竜中学校出身の総番長・『鬼島瑛介【きじまえいすけ】』が、同じ学校にいるらしいって!?しかも、ウチのクラスらしいという噂。」

キヨちゃんは、一大事とばかりにはやしたてる。

でも、私には、どうでもよかった。

そんな人が、『こんな私』に近づくはずもないだろう。

そう思っていたからだ。

そんなことを考えていた時だった。

ガラッ!!

と、私のクラスの教室の扉が開いたと思ったら、あの時、ぶつかった男の子が立っていたのだった。

教室中が、一気にざわついた。

「ねぇ、キヨちゃん。あの人、誰なの!?」

私は不思議に思い、キヨちゃんに聞いてみた。

「メグ、知らないの?あれが『鬼島瑛介』だよ。」

キヨちゃんは、顔を歪めて、声を潜めて言った。

「ええっ!?ほっ、本当なの?」

私はそう言うと、唖然としながら、『鬼島瑛介』くんを見た。

もし、私が、『あの時』の『ぶつかった女』だと分かったら、『八つ裂き』にされてしまうのだろうか?

そう思ったら、背筋が凍り、ゾクリッとした。

人生、『最悪の再会』とはよくあるというものだ。