「桃瀬さんも可愛いけどねっ!」

「そうそう、うちのクラスのアイドルは、桃瀬さんだもん!」

おしゃべりを続ける女子2人は、クラスのアイドル、桃瀬さんを見つめながら、笑った。

小柄で女の子らしい桃瀬さんは、美空とはまた違った可愛さがある。
彼女はクラスのアイドルとして、男装はせず、可愛く着飾られていた。
親友の青葉さんの手によって。

「みんな、愛ちゃんに惚れちゃうかもね!
とびっきり可愛く、鈴木さんにメイクしてもらおう!
愛ちゃんはそのままでも充分可愛いけど、もっともっと、可愛くしてもらおう!」

「やだなぁ、うみちゃん、恥ずかしいよ。
うみちゃんだって、かっこいいよ……?」