「今日も二人は相変わらずだな」 

「ま、いつものことだ」

俺は、委員長と向かい合って弁当を突っつきながら、二人が教室に入ってくる姿をなんとなしに眺めていた。

瀬田は、俺が言うのもなんだけど、誰もが納得するイケメンだ。
高身長、甘いマスク。でもって勉強もスポーツも出来るってんだから、モテないわけがない。
くそ、神様は不公平だ。

で、立花ちゃんは、小柄で可愛くて、理想の彼女って感じ。
今すぐスカウトされちゃいそうってくらいの、行くところ敵なし美少女。

ただ一つ欠点があるとするのなら、恐ろしいほど鈍いってこと。

瀬田の好きオーラに、一切気がつかない。
甘すぎてこっちがうんざりする程に想われているのに、どうして伝わらないのか。
うちのクラス一番の不思議だ。