僕は、声がした方を振り返る。
「…あっ、優介!」
僕のことを呼んだのは、優介だった。
さっきも言った通り、僕と優介はすごく家が近いからね。
こんな風に、ばったり会うことも珍しくない。
優介はスウェット姿で、コンビニの袋を提げていた。
そういう格好でも、背が高くてスタイルの良い優介はモデルみたいで様になっている。
…羨ましいなぁ、と素直に思う。
「陸、今帰り?こんな時間までなにやってたんだよ?」
立ち止まっている僕に近づいて、そう問いかけてくる優介。
「あー、緋奈ちゃんと勉強してたんだ!」
結局、今日は勉強はほとんどしなかった…とは言わないけど。
集中できなかった…の方が正しいかな。



