「…なーんてねっ☆」
「…へ?」
あたしの首に近づいてくる、と思ったら、急にあたしを解放した向田くん。
向田くんの表情は、いつものかわいくて明るい表情に戻ってて。
あたしは驚きの表情で向田くんを見上げた。
「えへへ、ごめんね緋奈ちゃん?ちょっとからかってみたんだ。」
「か、からかってみた!?」
ていうことは、今のは冗談だったってこと…だよね!?
ふ、不覚にもドキドキしちゃった…気がする…。
ビックリ!とかのドキドキじゃなくて…。
もっと、心がくすぐられるドキドキ…。
からかわれたのに、ちっとも怒る気になれないのは、どうしてだろう…。



