「僕だってね、男なんだよ。」 「う、う、うん…?」 顔が近くて、向田くんの吐息が耳や首にかかってくすぐったい。 まだ持ち上げられた顎に、腰に回された向田くんの腕。 男の子って感じの力強さが伝わってくる。 あたしはどうしたらいいのか分からず、身動きが取れない。 「いつもはあんなふうに振る舞ってても、君を…緋奈を食べちゃったらどうなると思う?」 「え?え…??」 む、向田くんてこんなキャラだっけ…!? いつの間にか名前を呼び捨てにされているし。 それに、た、食べるって…?!