すると、あたしのことを呼んだであろう人物にぐいっと腕を引っ張られて。
その手が伸びている…目の前の倉庫室のようなところへ飛び込む形になった。
後頭部と腰には、たしかに誰かの腕がまわっていて、あたしは今…誰かに抱きしめられている。
走り続けていたからか、心臓がバクバクと大きく鳴っている。
誰かに連れ込まれた部屋は真っ暗で、何も見えない。
今あたしのことを呼んだのは…あたしの体にまわっているこの腕は、誰…?
背筋がゾッとする感じがした。
知らない、人…?
いやだ、怖い。
「やだっ離して…!」
抱きしめてくる人の胸を、ぐっと押して離そうとした。
でも…。
「緋奈ちゃん落ち着いて!俺たちだよ。」
「______え…?」
その瞬間、倉庫室の電気がぱちっとついて、部屋全体が照らされた。



