ガラガラ、とゆっくりと扉を開ける。
あたしは開けた扉から顔だけをひょこっと出して挨拶をした。
「し、失礼します…。」
すると、3年生の先輩たちの視線は一気にあたしの方へ。
うっ…って、ダメあたし、怯まない、怯んじゃだめだ。
「あ、あの下駄箱ってどこ「君…あの新入生?」
勇気を出して言ったあたしの質問を遮られて、数人の3年生の先輩の1人が問いかけた。
あの新入生…って、なんだろう…。
なんか嫌な予感…。
「中村 緋奈ちゃん?だっけ?」
「え、は、はい…。」
あたしはぎこちなく返事をした。
どうしてこの人たちが、あたしの名前を知っているのかな?
「おい、あの子があの新入生だってよ。」



