工業高校のイケメン達に愛されて【上】




ガラガラ、とゆっくりと扉を開ける。


あたしは開けた扉から顔だけをひょこっと出して挨拶をした。



「し、失礼します…。」



すると、3年生の先輩たちの視線は一気にあたしの方へ。


うっ…って、ダメあたし、怯まない、怯んじゃだめだ。



「あ、あの下駄箱ってどこ「君…あの新入生?」



勇気を出して言ったあたしの質問を遮られて、数人の3年生の先輩の1人が問いかけた。


あの新入生…って、なんだろう…。


なんか嫌な予感…。



「中村 緋奈ちゃん?だっけ?」


「え、は、はい…。」



あたしはぎこちなく返事をした。


どうしてこの人たちが、あたしの名前を知っているのかな?



「おい、あの子があの新入生だってよ。」