「へえ〜。君が中村 緋奈ちゃんか!」



…と、返事をしてくれたのは向田くんではなくって、あたしの前の席の男の子だった。


体ごとこちらを振り返って、笑いかけてくれた前の男の子に、どきりと心臓が跳ねた。



「もー、魁斗!今僕が、この子と話してたんだよ!」



前の席の男の子は…魁斗くんというらしい。


一気にはじめましてが続いてて…覚えられるか不安です…。



「陸との会話邪魔してごめんね。俺は坂口 魁斗!よろしくね!」



坂口くん…は、笑顔がキラキラしてて素敵でみんなに優しそうな好青年…って感じの人で。


思わず口を開けてぽ〜っと見つめてしまったけど、慌てて我に返った。