困っているあたしに話しかけてきてくれたのは、あたしの右隣に座っている男の子だった。


男の子だけど、目がくりくりしててまつ毛が長くて…童顔。


かわいらしい感じ…かな?



「あ、えっと…」



あたしは左隣の男の子のブレザーの裾から手を離した。


突然声をかけられたので、あたしは少し戸惑ってしまい、視線を泳がせてしまった。


そんなあたしのことを気にしていないのか、かわいらしい男の子はにこりと笑ってくれた。



「あ、ごめんね急に!僕は、向田 陸!君の左隣に座ってる無愛想なやつは、相葉 翔だよ!」



あたしを助けてくれた無愛想な男の子は、相葉 翔くんというらしい。


そして、右隣の可愛い男の子は、向田 陸くん…と。



「えっと、向田くん。はじめまして。あたしは、中村 緋奈です。」