あたしが歩き進んでいる出入口に、見覚えのある後ろ姿を見つけた。
短めで、ワックスで整えられた綺麗な黒髪のその子は、Tシャツにジーパンというラフな格好で、いつもの制服姿とは印象が違う。
でも、あの子____…。
気がついたら駆け足でその男の子の近くに寄って。
控えめに、その子に向かって名前を呼んだ。
「相葉くん…?」
そう、見覚えのある後ろ姿の男の子は。
「…中村?」
あたしが呼ぶ声に反応して、足を止めてゆっくり後ろを振り返った男の子。
その子は、相葉くんだった。
あたしは、彼を見上げてぱっと笑顔を向けた。
「やっぱり相葉くん!久しぶりっ!元気だった?」
「おぉ…。」
相葉くんに会うのは、一学期の終業式以来だ。
相葉くんには特に変わった様子はなく、相変わらず無表情で少し気だるそうに首の後ろをかいている。



