「へ…?」
滝本くんの顔が、さらにずいっとあたしに近づく。
滝本くんは口を曲げてムッとした表情に見えるけど…怒っているわけでは、ないかも…?
あたしは、反射的に恥ずかしくなる。
「あーもう…なんだよ…。」
自分から近づいてきたくせに、滝本くんはそんなことを言ってあたしから少し離れて、目をそらす。
また後頭部をガシガシとかいて、なにか言いたそうにしている。
な、なんだろ…?
あたしがきょとんとしていると、
「…お前、浴衣、似合ってるよ…。」
って顔から耳まで真っ赤にして、口元を覆いながら滝本くんは呟いた。
へ…?
「お前…すげえかわいい。浴衣も髪型も…無理して、履きなれないもん履いてんのも。」
「………っ」
い、今の、聞き間違いじゃないよね…?
滝本くんにつられて、あたしの顔も赤くなる。
すると、滝本くんの手があたしの頭に触れて。
「俺のためにしてきた格好じゃないって、わかってても…それでも、嬉しいんだ。」



