「うん!とっても綺麗だった…!」
ニコッと笑ってあたしを見る坂口くんに、あたしも微笑む。
本当に綺麗だった…!
夢中で空を仰いだ30分間だった。
花火が終わると、みんな一斉にぞろぞろと河川敷を歩き出す。
今、あたしたちも駅の方へ歩き出してしまうと、きっとすごい人だかりで前に進まないだろうなあ。
と、そんなことを思っていると。
「優介、緋奈ちゃんごめん。俺、お手洗い行ってくる。」
「おう。」
「ここで待ってて。」
坂口くんはそう言うと、河川敷から駅へ向かう方向とは逆方向に、走っていった。
あっち側に、お手洗いがあったんだ。
滝本くんとふたりならんで、石段に腰掛けたまま坂口くんを待つ。
「滝本くん。花火、すごく綺麗だったね!」
「あぁ。」



