でも…花火をみたらあとは帰るだけだから、この痛さも我慢できる。
ただ万が一、2人とはぐれてしまわないように…。
あたしは、すぐ前を歩いていた坂口くんの服の裾をぎゅっとつかんだ。
「…緋奈ちゃん?」
坂口くんは、あたしの方を振り返り首を傾げた。
「ご、ごめんっ。人が多いから、はぐれないか心配で…っ」
あたしがそういうと、坂口くんは、服の裾をつかんでいたあたしの手を、ぎゅっと握った。
あたしは心臓がどきりと跳ねる。
「わ…っ」
「大丈夫。俺が絶対離さないから。」
あたしを見下ろしてニコッと微笑んで、坂口くんはまた前を向いてゆっくり歩き出した。
_____繋がれた手が、熱い。
それは、靴擦れの痛さなんて忘れてしまうほどの感覚だった。



