「あ、あの…坂口くん!あたしお金出すよっ」
いちご飴の屋台から離れて、並んで歩くあたしたち。
籠バッグを胸の前に掲げて、慌てて坂口くんにお金を出そうとしたんだけど。
「いいの。今日は俺が誘ったんだし。」
「で、でも…。」
「こういうのは男が出すの。はい、緋奈ちゃん。」
「っ!」
坂口くんは爽やかな笑顔をあたしに向けて、いちご飴をあたしの唇に優しく当てた。
あたしは、そのいちご飴を坂口くんからそっと受け取る。
てりてりに光った真っ赤ないちご。
…甘くて美味しい。
思わず、口元が緩んでしまう。
「おいしい?」
「うん、すごくおいしい…ありがとうっ」
「………っ」
…ん?
坂口くんの顔が、少し赤い気がする。
ちょうちんの光が当たっているからだろうか。
それとも_____…?



