「わあ、すごい…綺麗…!」
あたしは思わず目をキラキラと輝かせた。
お母さんが着ていた浴衣…それは白地にピンクとオレンジの桜模様が施された、とても甘々で可愛い浴衣だ。
相当大事にしまっておいたんだろうなあ。
生地も色あせることなく、すごく綺麗だ。
「でしょー?いつか緋奈も着るかもって思ってたの!」
うぐっ…こんなに可愛い浴衣を見ちゃったら…。
「着てみたい…。」
これは、女の子の本能でしょうか?
お母さんは、着せてあげるーっと張り切ってあたしに着付けをしてくれた。
簡単にぱぱぱっと着せてくれたから、ピシッと着こなしているわけではないんだけど。
数分で浴衣を見に纏ったあたしは、全身ミラーで自分の姿を確認した。
「わあ…!」
本当に可愛い浴衣…!
逆に自分が着ているのが浴衣に申し訳ないくらいです…。



