あたしが呼び止めると扉の前で男の子が立ち止まってくれて。


そして、ゆっくりこちらを振り返った。


よかった…。



「あ、あの…助けてくれてありがとう…1年生だよね?お名前…「俺、」



あたしがお礼を言おうとしたんだけど、冷静な男の子はそれを遮った。



「______俺、女嫌いだから。」



それだけピシャリと冷たく言い放つと、男の子は教室の扉をガラッと開けてさっさとあたしのもとから去っていってしまった。



「…え。」



あたしは唖然としてその場に立ち尽くした。


う、うそ…なに、今の人…。


優しい人だと思ったのに、し、信じられない…!!


いや…信じられないって、助けてくれた恩人に失礼だけども。


それにしても、女の子が嫌いって…?


うう、よくわからないよ。



…もう高校生活は、不安でしかないです…。