自分のスカートを握りしめて、中村は俺の目を見つめた。
「だから…少しずつで大丈夫だから、お話しよう?お友達に、なろう…?」
不安げな表情で、うるんだ瞳で首を少し傾げて、俺にそういったんだ。
…この時たしかに、俺の胸がドキッと音を鳴らした。
ああ…これが、この感じが…かわいいっていうやつか。
変だ…中村も…そして俺も。
だけど、自然と笑みがこぼれた。
「ふっ…変なやつ。」
思わず出た言葉。
中村もびっくりしたのか、
「へ、変っ!?」
すっとんきょうな声をあげた。
俺も中村に体ごと向き直して、すこし背を丸めて中村の目を見つめた。
ぱっちりとした二重、吸い込まれそうな綺麗な瞳。
その瞳が、俺を捉えている。



