「ひぃぃ…!!」
きっ、きた…!!!
あたしは再び顔が青ざめた。
お願い男の子…助け…。
「わっ!?」
助けて、と願い目を瞑ると、急に、冷静な男の子があたしを肩に担いで…そのまま走り出した。
「きゃぁぁあ!」
担がれているせいで体がぶんぶん揺れて…男の子の肩から落ちそうで怖いぃぃ!!
男の子のブレザーの後ろ部分の裾をぎゅっと握って、少しでも揺れないようにした。
そして男の子の方はあたしの後ろももあたりをしっかり腕で抱えていてくれたので、あたしが地面に落ちることはなかった。
そして、男の子は足が速くて、大勢の男の子は次第に遠くなっていった。
冷静な男の子は、使われていなさそうな空き教室に連れて行ってくれた。
「はあ…っ」
教室に入ると男の子はストン…とあたしを降ろした。
あたしを担いで全速力で走ってくれたから、男の子は当然息切れをしている。
「あ、あの、ありがとうござ…もがっ」
お礼を言おうとしたら、冷静な男の子に口を塞がれた。



