「いた…ごめんなさ…」
「………………」
地面についた手にぐっと力を込めて、顔を上げる。
すると目の前には、制服は着崩しているけれど、ゆるゆるの青いネクタイ…つまりあたしと同じ1年生の男の子が、立ったまま黙ってあたしを見下ろしていた。
あれ、この人は…冷静な人…!
あたしを追いかけてくる人たちとは違い、少し不機嫌そうに、鋭い目つきであたしを睨んでいる。
ぶつかったことに怒っているのかもしれない…。
改めてあとできちんと謝るから、お願い…!
あたしは急いで立ち上がって、その人に助けを求めた。
「ぶつかって本当にごめんなさい…あたし、知らない男の子たちに追われてるの…お願い、助けて!!」
男の子にそう助けを求めたと同時に…。
「「「美少女ちゃ〜ん!!」」」
追いかけてくる男の子たちの声が聞こえてきた。



