工業高校のイケメン達に愛されて【上】




「いた…ごめんなさ…」


「………………」



地面についた手にぐっと力を込めて、顔を上げる。


すると目の前には、制服は着崩しているけれど、ゆるゆるの青いネクタイ…つまりあたしと同じ1年生の男の子が、立ったまま黙ってあたしを見下ろしていた。


あれ、この人は…冷静な人…!


あたしを追いかけてくる人たちとは違い、少し不機嫌そうに、鋭い目つきであたしを睨んでいる。


ぶつかったことに怒っているのかもしれない…。


改めてあとできちんと謝るから、お願い…!


あたしは急いで立ち上がって、その人に助けを求めた。



「ぶつかって本当にごめんなさい…あたし、知らない男の子たちに追われてるの…お願い、助けて!!」



男の子にそう助けを求めたと同時に…。



「「「美少女ちゃ〜ん!!」」」



追いかけてくる男の子たちの声が聞こえてきた。