女に呼び止められた。
…俺は別に、女と仲良くする気なんてない。
いくらクラスが同じでも、席が隣でも。
助けてやったのだって…ただ面倒ごとになるのが嫌だからって、それだけだ。
それ以外になんの意味もない。
「あの、助けてくれてありがとう…」
礼だっていらねぇ。
「1年生だよね?お名前…、「俺、」
女の声を遮った。
話したくない。
女と必要以上に距離を取りすぎなのは、自分でもわかってるが。
「______俺、女嫌いだから。」
それだけ、一言だけそう言って、その女とは目も合わせず、俺は教室を出ていった。



