工業高校のイケメン達に愛されて【上】




「「「「美少女ちゃ〜ん!!」」」」



女が出てきた曲がり角の奥から、そんな集団の声が聞こえてきた。


…なるほど。


なんとなく、わかったわ。



「ひぃぃ…!!」



一気に顔が青ざめる女。


ああ、めんどくせえ!



「わっ!?」



俺は収拾がつかないと思ったので、女を肩に担いで…走り出した。



「きゃぁぁぁ!!」



担がれてる側の気持ちは知ったこっちゃないが、バスケ部だった俺は走るのには自信があるからな。


でもこいつ、かなり軽いから走るのもそんなにきつくねぇかも。



適当に走って、走って。


空き教室へと逃げ込んだ。



「はあ…っ」



教室へ入り、すぐに女を降ろす。


…走るのきつくないとか思ったけど。


さすがに人を担いで全速力で走るのはやべぇな。


息を整えながらそう思った。