「「「「美少女ちゃ〜ん!!」」」」
女が出てきた曲がり角の奥から、そんな集団の声が聞こえてきた。
…なるほど。
なんとなく、わかったわ。
「ひぃぃ…!!」
一気に顔が青ざめる女。
ああ、めんどくせえ!
「わっ!?」
俺は収拾がつかないと思ったので、女を肩に担いで…走り出した。
「きゃぁぁぁ!!」
担がれてる側の気持ちは知ったこっちゃないが、バスケ部だった俺は走るのには自信があるからな。
でもこいつ、かなり軽いから走るのもそんなにきつくねぇかも。
適当に走って、走って。
空き教室へと逃げ込んだ。
「はあ…っ」
教室へ入り、すぐに女を降ろす。
…走るのきつくないとか思ったけど。
さすがに人を担いで全速力で走るのはやべぇな。
息を整えながらそう思った。



