工業高校のイケメン達に愛されて【上】




…早く帰ろう。


そう思っているのに、バイバイと言った中村は、俺をじっと見つめて帰ろうとしない。


…なんなんだよ。


なに見てんだよ。と中村にそう言いかけた時、



「相葉くん。ここまで一緒に来てくれてありがとう!じゃあねっ!」



先に中村が口を開いて、笑顔でもう一度別れの挨拶をして、そのまま小走りで去っていった。



「…フン。」



なにがありがとう、なんだ。


いちいち相手に気遣いやがって、お人好しなやつ。


走って去っていく中村を、俺は遠目で見つめた。


…あいつら3人に免じて、ここまでは、校門までは一緒に来てやったまでだ。



_____入学式のあの日。