工業高校のイケメン達に愛されて【上】




…俺だって、女がみんなそういう八方美人とは限らないことは…わかってる。


中村も、そういうやつではないんじゃないかって、一緒に過ごしていて少しは感じているんだ。


だけどな。


俺はもう、取り返しのつかないくらい性格がねじ曲がってるんだよ。


女に対して…。



薄っぺらいスクバを肩に提げて、両手を制服のズボンに突っ込んだ。


そして中村より先に歩き出して、教室を出て行った。


俺の普段の歩くスピードじゃ、中村は小走りになると思う。


…仕方ねえから少し、ゆっくり歩いてやったけど。


中村は俺の三歩後ろくらいをちょこちょことついて歩いていた。


俺は一度も後ろを振り返らず、中村を特に気にかけることもせず、校門まで向かった。



「じゃあ…バイバイ。相葉くん。」


「…ん。」



校門に着いて、俺はここで中村の帰り道とは反対方向の自宅に向かう。