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「ない…ないよぉ…」
その日は、高校入試の合格発表だった。
他の受験生のみんなが、合格者の受験番号が貼られたボードを見て、きゃーっ!と興奮気味に叫んでいたり、または涙ぐんで静かに喜んでいたり…様々な形で喜んでいる中、あたしはとてつもない焦りで手は冷たくなり、鼓動は速く、顔は青ざめていた。
「242...242...」
あたしの受験番号は242番。
ボードを見ると…240...241......243…とそこからまた番号が続いている。
何度も何度も何度も、必死でボードに記された番号を冷たい指先で辿って探したんだけど。
あたしの番号が…どうしても見つからない。
「う、うそ…」
ボードを追っていた冷え切った指先を、力なくがくんと落とす。
同時に、肩の力も脱力した。
焦っている気持ちだけが続いて、鼓動だけは相変わらず速い。
あたし…高校受験、落ちちゃった…?
あたしの家は母子家庭で、経済的に私立入学が難しかった。
だから、公立高校一本の受験にしぼったんだけど…。



