「…あたしは、16番の席だ。」
くじを引いて折り曲げられていた小さな紙を広げると、16の文字が書いてある。
福井先生がみんながくじをひいている間に、席に順番に番号を割り振って黒板に書いていた。
くじを両手でつまんだまま、黒板の方に目を向けると。
「…うわあ。」
思わず、声が出てしまった。
あたしの席は、窓際の一番前の席だ。
はじっこなのはまだいいけれど、一番前は嫌だよお…。
「緋奈ちゃん、一番前?ドンマイ。」
そう言った坂口くんは、あたしと同じ窓際の列の一番後ろらしい。
ううっ…坂口くん、変わってほしい…。
陸くんは、窓際と真逆の廊下側の一番後ろの席。
滝本くんは、陸くんの隣の列の一番後ろの席らしい。



