工業高校のイケメン達に愛されて【上】




話したこともなければ、見かけたことも…多分ないはず。


そんな接点の全くない人にいきなり好きだなんて言われても、気持ちはありがたいけれどあまり嬉しいとは思えない…。


本当に申し訳ないんだけど…。



「はぁ…。」


「俺らとずっと一緒に行動してるときは遠慮してるのか、ほかの男も近寄ってこないよな。まあ…それでいいんだけど。」


「当たり前じゃんっ!僕ら仲良いもん!ほかの男が緋奈ちゃんに近付いてほしくないもん!」



坂口くんと陸くんの言葉に、少し顔が熱くなった。


あたしたちが仲良くみえて、遠慮してる…か。


周りからそう見えているのだったら嬉しい。


けど、だから陸くんの言うとおり臆病に感じて、あたしが1人できる時にだけそうやって話しかけてくるのかな。



「ふふ。あたし、ほとんどみんなとずっと一緒にいてもらってて、本当にありがたいよ。」



あたしは笑顔でみんなにお礼を言った。


…男の子はあたしが1人になる一瞬の隙を狙っていたのだろうか。