「自分がやりたい競技に手あげてくれ。さっきも言ったけど多数決だからな。」



淡々と話し、種目決めを進めていく相葉くんは、なんだか手際がよく見える。


…あたしにも、普段もう少し話してくれたらいいのになあ。


もっと話したいなあ。


相葉くんを見つめながら、そんなふうに思ってしまう。


まだ滝本くんとの方がよく話している気がする。


…意地悪ばかりだけどね、あはは。



「…あっ、ちなみに緋奈ちゃんは球技大会には出場しなくて大丈夫だから!!みんなの応援をよろしくねっ!」



黒板の前に立っている陸くんが、にこりと笑顔で親指を立ててあたしを見ながらそう言った。