い、痛そう…!
片手で頭を抑えながら、陸くんが後ろを振り向く。
もう片方の手は、あたしの肩を掴んでいる。
あたしも驚いて、陸くんにつづいて後ろを振り返る。
「…いったぁー!もう、優介!なんで叩くの!」
陸くんを叩いたのは、眉間にしわを寄せて不機嫌そうな、滝本くんだった。
滝本くんは…すぐ暴力する!
陸くんはあたしの肩を掴んで抱きしめたまま、滝本くんを睨んだ。
「ふん。陸がうるさいからだ。」
「もー、優介ひどいなあっ!」
2人で言い合いながらも、陸くんは一向にあたしから離れる気配はない。
肩を掴んでいた手が、あたしの首に回って、陸くんとの距離はさらに近くなる。
恥ずかしいし、それに…っ。
優介くんと話してる時に陸くんの腕に力がこもってちょっと…く、苦しい…っ!



