鬼課長の憂鬱~謎めく可憐な美少女部下~

「ところで、相談って何よ?」

「ん?」

「詩織ちゃんの事で私に相談したかったんでしょ?」

「そうなんだ。実はさ……」


 俺は野田に打ち明けた。詩織との今後に関する二択、もしくは三択で俺が迷っている事を……


「バッカじゃないの?」


 俺の話を聞き終えた野田の一言は、それだった。


「バカって、それはないんじゃ……」

「王子様がそんな事で悩んでるなんて、幻滅もいいところだわ。あんた、サイテー」

「ちょっと、野田さん……」

「結婚しちゃいなさいよ。何も迷う事ないでしょ? それともあんた、詩織ちゃんの脚が気になるの?」

「ば、バカ言うなよ。そんなわけないだろ?」

「そうよね。よかった」


 野田は確認の意味で言ったのだと思うが、俺は詩織の脚の件は全く気にしてない。そりゃあ、それなりの気遣いはしなければいけないが、それが障害になる事は微塵もない。ただ……


「あんたさ、もしかしてまだあの女の事を引きずってるの? 真理とかいう、二股女」


 実は、そうなのだ。真理とは同棲し、当然結婚すると俺は思っていた。その時は、家も買うつもりだった。ところが……


「どこかの商社のエリートを捕まえて、あんたと二股した挙句、そっちへ行っちゃったのよね?」

「ああ」

「計算高い女よね? そもそも、あんたと付き合ったのだって、あんたの地位が目当てだったんでしょ?」

「いや、そんな事は……」

「ううん、そんな事ある。だから、あんたよりもっと稼ぎのいい男を捕まえたら、さっさと乗り換えたんでしょ? お金目当てだって、見え見えだわ。それであんたは傷ついて、それ以来、女嫌いになったわけよね?」

「まあな」

「ふざけないでよ!」

「えっ?」


 突如、野田は俺を怒鳴った。その目が恐く、本気で怒ったらしい。なぜかは知らないが。