野田とは、詩織を加えた3人で酒を飲んだあの夜以来、会ってないし話もしてなかった。
俺は野田に、相談したい事があるから、今夜酒に付き合ってくれないか、と書いたメールを送ったのだが、断られるかもしれないなと思った。なぜならあの夜、俺達は変な別れ方をしたからだ。
ところが、程なくして野田から返信が来て、しかもオッケーの返事だった。俺はホッとする一方、ちょっと意外だなと思った。
詩織にはあまり嘘をつきたくないので、正直に今夜は野田と飲みに行くと彼女に伝えた。ただし、詩織に着いて来られては困るので、野田が俺に折り入って相談があるらしいと、その部分は嘘をつかざるをえなかった。
思えば、同棲を始めてから詩織と一緒に帰らないのは、今日が初めてだった。定時を過ぎて詩織が帰って行く時、小声で「恵子さんによろしく言ってください」と言われた時は、さすがに胸がチクッと痛んだ。
ちなみに、これは本当にどうでもいい事だが、ここ数日は珍しく残業をしていた小島も、今夜は早めに帰って行った。
一段落したところで俺も仕事を上がり、いつものバーへ直行した。すると、既に野田は来ており、いつも通りにカウンター席に座り、マスターと何やら楽しそうに会話をしていた。
「よお、お待たせ」
「お疲れさま。あら? 詩織ちゃんは一緒じゃないの?」
やはり言われたか……
「ああ、今日は俺だけだ」
「ふーん。今ね、マスターにサンドイッチを頼んだところなんだけど、あんたも食べる?」
「おお、いいね。マスター、お願いできますか?」
「はい、承知しました」
今夜は俺も野田も会社からここへ直行だから、少しでも腹に溜まる物はありがたかった。
その前にいつもの水割りを作ってもらい、カチンと野田とグラスを合わせてから一口飲み、さて、どう話を切り出そうかな、と思ったのだが、
「詩織ちゃんと喧嘩でもしたの?」
野田の方から切り出してくれた。
俺は野田に、相談したい事があるから、今夜酒に付き合ってくれないか、と書いたメールを送ったのだが、断られるかもしれないなと思った。なぜならあの夜、俺達は変な別れ方をしたからだ。
ところが、程なくして野田から返信が来て、しかもオッケーの返事だった。俺はホッとする一方、ちょっと意外だなと思った。
詩織にはあまり嘘をつきたくないので、正直に今夜は野田と飲みに行くと彼女に伝えた。ただし、詩織に着いて来られては困るので、野田が俺に折り入って相談があるらしいと、その部分は嘘をつかざるをえなかった。
思えば、同棲を始めてから詩織と一緒に帰らないのは、今日が初めてだった。定時を過ぎて詩織が帰って行く時、小声で「恵子さんによろしく言ってください」と言われた時は、さすがに胸がチクッと痛んだ。
ちなみに、これは本当にどうでもいい事だが、ここ数日は珍しく残業をしていた小島も、今夜は早めに帰って行った。
一段落したところで俺も仕事を上がり、いつものバーへ直行した。すると、既に野田は来ており、いつも通りにカウンター席に座り、マスターと何やら楽しそうに会話をしていた。
「よお、お待たせ」
「お疲れさま。あら? 詩織ちゃんは一緒じゃないの?」
やはり言われたか……
「ああ、今日は俺だけだ」
「ふーん。今ね、マスターにサンドイッチを頼んだところなんだけど、あんたも食べる?」
「おお、いいね。マスター、お願いできますか?」
「はい、承知しました」
今夜は俺も野田も会社からここへ直行だから、少しでも腹に溜まる物はありがたかった。
その前にいつもの水割りを作ってもらい、カチンと野田とグラスを合わせてから一口飲み、さて、どう話を切り出そうかな、と思ったのだが、
「詩織ちゃんと喧嘩でもしたの?」
野田の方から切り出してくれた。



