同棲するにあたり、ある事については俺も詩織も同じ考えだと思っていた。すなわち、二人とも結婚は前提にしないのだと。しかし、そうでなかった事を俺は知ってしまったのだ。
それは昨夜の事だった。
夜の行為の後、詩織は見るからに疲れ果て、グッタリして目をとろんとさせていた。そんな詩織がまた色っぽく、もう一回したいなあ、なんて事を思ったりもしたが、翌日も仕事だし、詩織が可哀想なので俺はなんとか我慢をしたんだ。
詩織に腕枕をしてやり、髪をそっと撫でていると、詩織は嬉しそうに微笑み、虚ろな目で俺を見ていたが、やがてその目を閉じ、眠りにつこうとしていた。
そんな幸せそうな詩織を見ていたら、不意に俺はある事を思い出し、詩織の耳元で囁くように聞いてみたのだ。
「最後の夢は叶ったのかい?」
と。すると詩織は、即座に、
「ほぼ、叶ったよ」
と言ったのだ。小さな声ではあったが、詩織は確かにそう言ったんだ。
それはどういう事かと詩織に問いたかったが、すでに詩織は、規則正しい寝息を立て始めていた。
ほぼ叶った、という詩織の最後の夢とは何なのだろう。
それを考えようとした俺だが、すぐに解ってしまった。いくら俺が鈍感でも、答えはとても簡単だと思った。その答えとは……結婚だろう。
つまり、詩織の最後の夢は誰かと結婚するという事であり、俺と同棲を始めた事により、叶わないまでも“ほぼ”叶ったという事で間違いないと思う。
普段は頭のいい詩織だが、眠気のせいで頭が回らず、ついうっかり漏らしてしまったのだろう。
だが、それを知った俺は、あまり動揺しなかった。なぜなら……
それは昨夜の事だった。
夜の行為の後、詩織は見るからに疲れ果て、グッタリして目をとろんとさせていた。そんな詩織がまた色っぽく、もう一回したいなあ、なんて事を思ったりもしたが、翌日も仕事だし、詩織が可哀想なので俺はなんとか我慢をしたんだ。
詩織に腕枕をしてやり、髪をそっと撫でていると、詩織は嬉しそうに微笑み、虚ろな目で俺を見ていたが、やがてその目を閉じ、眠りにつこうとしていた。
そんな幸せそうな詩織を見ていたら、不意に俺はある事を思い出し、詩織の耳元で囁くように聞いてみたのだ。
「最後の夢は叶ったのかい?」
と。すると詩織は、即座に、
「ほぼ、叶ったよ」
と言ったのだ。小さな声ではあったが、詩織は確かにそう言ったんだ。
それはどういう事かと詩織に問いたかったが、すでに詩織は、規則正しい寝息を立て始めていた。
ほぼ叶った、という詩織の最後の夢とは何なのだろう。
それを考えようとした俺だが、すぐに解ってしまった。いくら俺が鈍感でも、答えはとても簡単だと思った。その答えとは……結婚だろう。
つまり、詩織の最後の夢は誰かと結婚するという事であり、俺と同棲を始めた事により、叶わないまでも“ほぼ”叶ったという事で間違いないと思う。
普段は頭のいい詩織だが、眠気のせいで頭が回らず、ついうっかり漏らしてしまったのだろう。
だが、それを知った俺は、あまり動揺しなかった。なぜなら……



