「詩織、おまえ……?」

「ますます一緒に住みたくなった」

「え?」


 なんでそうなる?


「だって、おにいちゃんが意外にダメダメな人だって解ったから」

「ダメダメって……」


 ま、確かにそうなのだが。


「おにいちゃん、重いよ。考え過ぎ!」

「え?」

「私、結婚したいなんて言ってないでしょ?」

「それはまあ、そうだけど……」


 まじめな詩織なら、当然それを考えてると思ったのだが、違うんだろうか……


「私も結婚って興味ないんだ。こんな体だしね」

「おい、そんな事言うなよ」

「ううん、いいの。私、その辺は割り切ってるから。私がおにいちゃんと暮らしたいと思ったのは、おにいちゃんが大好きだから側にいたいのと、おにいちゃんの世話を焼きたいからなの。例えばご飯とか、ちゃんと栄養のあるものを作ってあげたいの。それだけだから」

「ん……」

「私が邪魔になったら追い出してくれていいし、たぶんないと思うけど、私も嫌になったら出ていくし。あ、お家賃や光熱費は半分出すから、シェアすると思えばいいのよ。ね?」

「あ、ああ。わかったよ」

「ありがとう、おにいちゃん!」


 やけに饒舌になった詩織に、俺は押し切られてしまった。しかし、考えてみれば詩織が言った通り、俺の考えは重過ぎというか、まじめ過ぎだったかもしれないな。