ベッドの上から布団なんかを全て引っぺがし、買い置きしていた新品のシーツを敷く。枕カバーは洗った物に換え、鼻を近付けて臭いを嗅いだが大丈夫なようだ。もっとも、自分の臭いは自分では気付きにくいから怪しいものだが。

 毛布と布団は換えがないからそのまま掛けた。ちょっと臭うかもだが勘弁してもらおう。おっと、枕がもうひとつ必要だな。

 俺は収納からあの枕を出した。あの女のために買っていた枕。野田の時にも使ってしまったが、使うのは今日で最後にしよう。これは捨てて新しいのを買おう、と俺は思った。

 枕に罪はないが、その枕を見るとあの女を思い出しそうで嫌だから。


 元いた部屋に戻り、寝転がってテレビを見ていたら、いつの間にか俺はうとうとしていたらしい。まだ体からアルコールは抜けておらず、それも無理ないと思うのだが。


「寝ちゃったんですか?」


 そんな高宮の声に、俺はパッと目を開いた。そして、次第に焦点が合って鮮明に映し出された高宮の姿に、俺はゴクッと生唾を飲んだ。

 高宮は、“お泊りセット”に入れて持参したらしい真っ白なバスタオルで体を包み、それ以外は身に着けていなかった。

 高宮の肩や、腕や胸元。きわどい位置から伸びる2本の脚は、バスタオルの白さに負けないぐらい、真っ白だった。