俺がリビングのソファに座ると、あとから追いかけてきた親父は、俺の前に立った。
「……結雨ちゃんと付き合ってるのか?」
「……うん」
親父は俺の隣に腰を下ろすと、うつむいたまま少しの間、黙り込む。
何かを考えている様子だった。
まさか、こんな形でバレるなんて思わなかった。
なんで親父は、玄関の外にいたんだ?
さっき俺が家を飛び出したとき、親父は寝室にいたはず。
明日も仕事で朝が早いと言っていたから、とっくに寝ていると思っていた。
結雨の母親と、会って話でもしていたのか?
親父は大きく息を吐きだしたあと、うつむいたままつぶやいた。
「結雨ちゃんとは別れるんだ」


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
