それからは、早朝のランニングの時間が、ふたりで過ごす時間になった。 走っている俺の斜め後ろを、四葉は自転車で追いかけてくる。 『ほらほらほら、ペース落ちてきたよー?はい、ファイトっ』 『……監督より厳しいじゃんか』 『つらい顔しないのっ』 『んで、その黄色いメガホン、どこから持ってきたんだよ?』 『応援には必需品でしょ?』 『ホント、変わってるよな~』 俺にとっては、楽しくて、幸せな時間だった。 だけど四葉はあのとき、どんな気持ちでいたんだろう――。