雫に危険を知らせた夜

海斗は突然

父に襲われた

苦痛をいくら与えられようと

雫とのことは

自分から口を割ることはしなかった

業を煮やした父は

魔法により

無理やり記憶を開け

勝手に雫に連絡をした

海斗は悔しかった

自分に魔力があれば

何かしら手立てがあったはずだ

雫に知らせることも

父に抗うことも出来ない安立たず

さらに

湖で戦う雫を見て

恐ろしいという感情を抱いてしまった

頭がいい彼女は

自分の一瞬の気持ちを逃すはずがない

あの時のきみの顔が

頭から離れない

気付いたら身体が勝手に動いて

雫の目の前に立っていた

なぜ、ぼくを助けた?

ぼくはきみを裏切ったも同然なのに