【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜



「なした?」



翼に視線を向ければ、携帯を黙って眺めていた。



帰る支度もせずに...なにしてるかと思えば、携帯かよ。



「帰んないの?」



「んー...」



俺のことを呼び止めたくせに、返事は曖昧。



「翼?」



「...これ行かね?」



そう言って翼が見せたのは携帯の液晶だった。

そこには大きく明日開催される〝花火大会〟の見出し。



「...2人で?」



この歳になって男2人で花火大会はなんだか虚しい気がする...

けどそれは俺の早とちりだった。

翼は首を横にブンブンと大きく振っている。



「未菜ちゃん誘えないかな...」



「えっ?」



待て待て。未菜って言った??

〝未菜〟って名前を聞いて変にドキッとする。