【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜



「瑠星また授業中にテニスコート見てたよな」



俺の目の前に座る翼がそんなことを言ってきた。

きっと、授業中に俺のことが視界にでも入ったのだろう。



「なんか面白いじゃん。誰もいないテニスコート見るのってさ」



「そうかー?ただのコートだべさ」



「そんなこと言うなら今度見てみろよ」



俺がそう言うと翼は、ほんの少しだけ考える素振りを見せて言った。



「そこに未菜ちゃんがいたらね」



「はいはい」



また未菜だ。

俺は翼の惚気をニヤニヤしながらわざと流す。

俺達は未菜と以前に増して仲良くなり、苗字呼びは辞めて名前呼びになっていた。

部活も他の部活に比べたら上下関係が緩く、未菜も俺のことはりゅーちゃん、翼のことは翼くんと呼んでいた。