ずっと考えていたんだ。

俺は未菜にとって害でしかなくて。

それなら...アイツは未菜にとってなんなんだろうって。

どうして今も友達をやってるんだろうって。



だから聞いた。



『...なぁ...アンタは未菜にとってなんなんだよ』



あの時の出来事じゃ物足りないとか?

まだ未菜を苦しめたいとか?



だから、未菜からしたら偽友達で、アイツからしたらただのストレス解消とか。

そんなんだろうと思った。



けれど返ってきた言葉は...



『......私ですか?......私は、嫌われ者...ですよ』



想像していたものと全く違うものだった。



そう言った時のアイツは今にも泣きそうで、だけど必死に堪えてるように見えた。



その表情を見た時、アイツ...千沙ちゃんも俺と同じように後悔していて、この気持ちのやり場を失っているんだと思った。

そして行き着いた答えが、嫌われ者であること。



俺と千沙ちゃんは同じだ。



俺も自ら人を遠ざけ、人に好かれるのではなく嫌われることを選択した。



そう思うと俺に千沙ちゃんを攻めることは出来なかった。

苦しいのも、辛いのも、泣きたいのも、全部俺と一緒だから。