【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜



「っ...」



俺は未菜の手を離し、先生の目を見て言葉を発した。



「俺がここに運んで来たこと...俺のこと、相川さんには言わないで下さい」



俺は未菜のそばにはいられない。



「それでいいの?」



「部活が終わったら、鞄届けに来ます。お願いします」



自分の気持ちを押し殺し、俺は駆け足で部活に戻った。



部活に戻ればみんな未菜の心配をしていて、そんな人達に〝寝不足だった〟と説明した。

その言葉を聞いたみんなはやはり俺と同じ反応を示し、部活が再開された。



そして日が沈んでくると部活は終わった。



未菜の鞄...誰かに頼まなくちゃ。

鞄届けに行きますとか言ったけれど、よくよく考えれば俺が届けに行くのは辞めた方がいいに決まっている。

もしも鉢合わせになったら先生に俺のことを口止めした意味がない。



「あのさ、長沢」



近くにいた長沢に話し掛ければ長沢は、ん?と顔をこちらに向ける。



「...相川さんの鞄「あ、俺ムリ!」」



まだ最後まで言ってないんだけど...