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あれから教室に戻れば、何事もなかったかのように授業を受けた。
そして何事もなかったかのように、授業が終われば教室を後にする。
「瑠星悪いけど、先生に呼ばれたから先に部活先に行ってて!」
いつもは長沢と一緒に部活に行っているけれど、今日は1人。
今日みたいな日は、少しでも1人の時間があるとありがたい。
なにより〝演技〟をしなくていいから──
俺は昇降口に着くと、無表情のまま下駄箱から靴を取り出す。
「りゅーちゃん」
その時、急に呼ばれた言葉に...俺は動けなくなった。
正確には数秒。
0.03秒とかだろうけど。
でも、その数秒が...俺には何十秒にも感じた。
俺はぎこちなく声のした方を向く。
きっと今の俺は酷い顔をしているに違いない。
青ざめているか、怒りで狂って赤くなっているか。
「...ふふっ。〝未菜〟だと思いました??」
俺の視界には、憎たらしく微笑む山野千沙の姿が映る。
「...お前っ」
本当にコイツは悪趣味だ。


