俺はそんな未菜に言葉を発せず、ただただ顔を逸らすことしか出来ない。
「......そんなに...私のことが嫌い、ですか...?」
次に発した未菜の言葉は微かに震えていた。
俺は...
気がつくと未菜の腕を引き寄せ、未菜のことを抱きしめていた。
突然座っている俺に抱き寄せられたことに、未菜は驚いていた。
だけど、そんな俺の体から逃げようとしていないことが、少し安心し嬉しくもあり......寂しかった。
「須藤先ぱっ「ごめん...」」
俺は未菜を抱きしめる腕を強めた。
早く......思い出せよ──
俺は決して口にしてはならない言葉を心の中で何度も何度も呟く。
「...須藤先輩...?」
でも、いくら思いを込めたって...未菜の記憶は戻ることはない。
「...僕は......キミのこと嫌いだ」
〝嫌い〟と言った言葉が、俺の耳にも届く。
本当に嫌いなのは、俺自身。
だけど...
今の俺には、この言葉以外発することが出来ない。
俺は未菜の体を離すと、教室を静かに1人出た。


