【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜



俺はそんな未菜に言葉を発せず、ただただ顔を逸らすことしか出来ない。



「......そんなに...私のことが嫌い、ですか...?」



次に発した未菜の言葉は微かに震えていた。



俺は...

気がつくと未菜の腕を引き寄せ、未菜のことを抱きしめていた。



突然座っている俺に抱き寄せられたことに、未菜は驚いていた。

だけど、そんな俺の体から逃げようとしていないことが、少し安心し嬉しくもあり......寂しかった。



「須藤先ぱっ「ごめん...」」



俺は未菜を抱きしめる腕を強めた。



早く......思い出せよ──



俺は決して口にしてはならない言葉を心の中で何度も何度も呟く。



「...須藤先輩...?」



でも、いくら思いを込めたって...未菜の記憶は戻ることはない。



「...僕は......キミのこと嫌いだ」



〝嫌い〟と言った言葉が、俺の耳にも届く。



本当に嫌いなのは、俺自身。



だけど...

今の俺には、この言葉以外発することが出来ない。



俺は未菜の体を離すと、教室を静かに1人出た。